3:ポリマーのデメリット
Q:逆に、最近の高性能オイルのほとんどが「ノーポリマー」と謳うように、ポリマーを使用していないことがメリットになるというオイルが増えてきていますが、ポリマーを使用することで生じるデメリットを教えてください。
A:岸野
ポリマーは、PMA・OCPなどと呼ばれる樹脂を原料として作られています。そしてこれらが新油の時は安定した状態なので問題ないのですが、クランクシャフトやカムシャフトのところで油膜を切ろうとする力に遭つたときに、樹脂が切られていきます。その切られた樹脂が実はスラッジになるのです。ですから、ポリマーを使用するとスラッジが生まれやすくなるデメリットがあります。このステッジが堆積することにより、エンジンの磨耗を促進させるばかりではなく、場合によっては潤滑するためのラインが詰まり潤滑不良を起こしてエンジンが焼き付いてしまうことさえあります。またオイル粘度が変化してしまうことで摩擦損夫が増大し、エンジン始動不良や燃焼悪化につながります。
4:添加剤について
Q:一方の添カ剤というのはどういったものなのですか?
A:岸野
添加剤というと一般的に皆さんがイメージするのは、300ccぐらいの瓶であとからエンジンに注入するイメージが強いと思います。確かにそれも添加剤といいますが、ここでいう添加剤とはDIパッケージと言ってエンジンオイルが、SJ・SLなどの規格を表示するのに必要な性能を備えた物を言います。具体的にどのような効果といいますと、清浄性(エンジンの中に汚れがたまらない為の石鹸のような効果)、分散性(燃料のカーボン及びステッジなどが固まらないようにほぐす効果)、酸化防止性(エンジンオイルの酸化劣化を防止して長期間使えるようにする効果)、抗乳化性(エンジンの中にある水蒸気がオイルと混ざって乳化することを防止する効果)、きび止め性(エンジンが錆びないようにする効果)、以上のような効果を兼ね備えたものをここでいう添加剤になります。
5:添加剤のメリット
Q:添加剤をオイルに配合する一番のメリットは、どんなことですか?
A:岸野
添加剤はエンジンオイルを長く使用する為には必要不可欠なものです。エンジンオイルの一般走行するのに最低限必要な性能はすべて入っていることが最大のメリットです。
6:添加剤のデメリット
Q:では、添加剤を使うことでのデメリットはありますか?
A:岸野
添加剤を規定量添加して使用した場合は特にデメリットは有りません。しかし規定量以上に入れると触媒の寿命を短くしたり、エンジンオイルの酸化を早めてしまったりする逆効果が起きるデメリットがあります。
7:添加剤の種類
Q:その添加剤ですが、どのくらいの種類があるのですか?
A:岸野
細かい部分まで分けていくと100種類以上の添加剤があります。ただ、それを大きく分けると、イラストに描かれている種類に分けられると思います。これは、エンジンオイルを表したイラストなのですが、基油(ベースオイル)に対して、それぞれの目的別に添加剤が必要となってくるわけです。
A.S.Hアッシュ オイルについて第二弾その2
2017年4月28日 金曜日