3:ロングライフオイルの交換時期の目安
Q:ユーザー側から見て、どのような状態になったらオイル交換の時期と判断できますか?
A:岸野
非常に難しい事だと思います。まず、オイルの劣化システムですが、エンジンオイルは使用しているうちに酸化されてスラッジが生成したり、金属磨耗粉、ゴミ、カーボンなどで汚れてきます。ディーゼルエンジンでは、燃料が燃えたときに発生する亜硫酸ガスがエンジン内の水分と反応して硫酸となり、エンジンオイルに混入してベアリングなどの腐食磨耗を促進します。 このようにして劣化していくわけですが、エンジンオイルの劣化度具合、つまり交換時期の特定は一般的に新油に対する油中の劣化成分として全酸価の上昇具合、全塩基価の低下具合、ペンタン不溶分、粘度、引火点、水分及び金属磨耗痕の増加具合で測定しますが、これらは全てオイルを化学的に分析しなければならないので、一般ユーザーには不可能です。 では、どうしたらいいかということですが、やはり距離による交換がユーザーからみると一番合理的な判断基準だと思います。ロングライフオイルを使用して、自動車メーカーマニェアル通りの距離で交換することだと思います。そして、交換距離を短くする程、エンジンの状態が良くなって行くわけです。
4:オイル量の点検は忘れずに
Q:10,000Km~20,000Kmの交換というとなにかメンテナンスフリーのような気がしてとっても便利なような気がするんですけど?
A:岸野
残念ながら、メンテナンスに関しては通常のオイルと一緒です。エンジンオイルは漏れがなくても一部は燃焼室に入り消費されます。オイルの消費量は運転状態によって大きく左右されますが、一般的には高速運転時やエンジンブレーキ使用時に多く消費されます。乗用車で多い場合には5,000Km走行で1リッター消費することもあり、オイルの量に関しては他のオイルと同様、定期的な点検が必要となります。