1:エンジンオイルの酸化劣化及びスラッジの生成
エンジンオイルの酸化劣化の原因は、高温によるベースオイルの酸化及び燃料が燃焼した時に起きる窒素酸化物(NOx)の影響によるオイルの酸化が主となります。そしてこれらの現象を具体的に言いますと、燃焼室付近でのシリンダー及びピストンにおいてのオイルは、かなり高温にさらされます。例えば、シリンダーの壁面は約340℃ と言われています。ですから、高温による酸化というのは、この辺りから起きてくるわけです。また、オイルパンの中では燃焼室から漏れるブローバイガス(これに燃料が燃焼した時に起きる窒素酸化物が混じっています。)による酸化が起きるわけです。そして、これらの酸化劣化が促進されると、酸化生成物の宿重合反応というのが起きて、スラッジの生成・ワニスの生成・オイルの酸化による粘度の上昇が起きるのです。
2:乳化
エンジンの燃焼には、炭化水素というものが使われます。いわゆる、ガソリン・軽油・LPG等、これらはすべて炭化水素の仲間になります。そして、炭化ま素が燃焼しますと、CO2(二酸化炭素)とH2O(水)生成されます。そうするとこれらの物がプローバイガスと混って燃焼室から出てきます。そのガスの中の水分が高温の状態では水蒸気となって浮遊しているわけです。また、ベースオイル自体にも水素を含む為、オイルが高温にさらされて酸化が起きるとベースオイルの水素が酸化して水蒸気となり浮遊します。これらが今度冷えた時に水としてエンジンオイルに混入してくるのです。これらの現象が促進することにより乳化が起きてくるわけです。
Q:年間走行距離の少ない車のオイル交換時期
走行距離に応じて定期的にオイル交換すると言うのがオイル管理の基本なのだけど、問題なのは走行距離の少ない車の場合。日常通勤に使っているような車の場合だと走行距離をオイル交換の目安にすることが出来るけど、たまの休日にドライブに使うといったような使い方だと、へたをすると年間5,000Kmにも満たないといったような場合もある。また使用するオイルのタイプによっても使い方様々。こういったケースの場合、オイル交換の目安はどう考えたらいいんだろう?
A:「走行距離が少ない車のオイル交換時期ですが、これは、走行距離よりも使うオイルの種類によって変わると思った方が良いでしょう。鉱物油の安いオイルであれば半年ぐらいを目安にして下さい。一般的な合成油であれば1年くらいは大文夫でしょう」
※ということで、たまにしか乗らないような年間の走行距離が少ない車ほど、実は高性能オイルを入れておいた方が、メンテナンスも楽になるということです。
A.S.Hアッシュ オイルについて第四弾その1つづき
2017年4月28日 金曜日