愛
東日本大震災から、永い月日が流れました。
みなさんは、津波で北米大陸まで流された、ハーレー・ダビッドソンのバイクを覚えていますか?
とても高いお金を払って買ってとても大切にしていたものでも、一瞬にして失われてしまいます。
でもあなたの、「愛していたこころ」は、いつまでも残ります。また「愛してあげられたんだ」という気持ちも、いつまでも思い出です。
どこにでもある、使い捨てみたいなものに、そんなことを感じられるでしょうか。
私は、VOLVO240というクルマを、こよなく愛しています。いやそれより、全ての古き良き時代の物を愛しているといった方が、もっと正確でしょう。
私は、物にはすべて、魂が宿ると信じています。たとえ無機質な物質であっても、たくさん愛を注いでやれば、まるで使う人に応えてくれるかのように、懸命に働いてくれると思えます。そして、それを感じた持ち主もうれしくなって、いっそう愛してしまう……。
他人からは「なんでそんな古い、めんどうくさいものを使っているの?」と思われる。けれども、物を愛したり他人を気遣ったり、つまり愛の心で接すれば、相手にはかならずその気持ちが伝わって、そうしてまた帰ってくると信じていれば、物であれ人であれ、いつかは必ず心が通うはずです。
プラグを外して燃え方がどうかな、と確認してこれを丁寧に磨いてまた使う。デストリビューターも接点をきれいに磨いてあげて、一般道や高速道路それに山道のワインディングを軽やかに走ってみる・・・・
どんなところを走っていても、自分の愛する車に、命すべてを預けているのです。さっき磨いたプラグやデストリビューターが、きびきびと、そしてきちんと働いている。そんなステキなエンジン音を聞きながら、人馬一体(人車一体?)になって走る。それこそ、すばらしい「心持ち」ではありませんか?
同じお金で、マイコンだけで走る車を買って、たった数年で捨ててしまって、また購入する。もしも、いつかは別れがくるなら、良いものを、そして自分の気に入ったものを、愛して大切にしてあげたい。私はますます、そう思っています。
オート・ボルタは、来た時はどんなに憐れに見えた車にも、いっぱいの愛を注いで、そうして、幸せな、ニコニコした車に仕上げます。そうしたら、あなたがどうか引き継いで、もっともっといっぱい、愛してあげてください!
★コンセプトのリニューアルに伴って、オート・ボルタでは、ボルボ以外の古き良き時代の車を、すべて扱う事にしました! 縦目のBENZや昔の四角いBMW、それにイタリアのオープンカーまで、どうかラインナップにご期待ください!